2002/02/22 公開
担当:カルネアデス

EからAへの物語

#09 「御勤めご苦労様です」


 昔から色々と言われていたけれど、秘密警察って
言うのはこういうことをしていたのだと、そう見せ付けられた。
そう感じた。

 金髪さんの後を付いて、王宮を走り回った私は目的地に着いた。
地下室の。

 部屋の中には両手を縛られて天井に吊るされた男性が居た。
その床は濡れていた。他の場所に比べると黒く‥‥。

「まぁ、やってしまったものは仕方が無い」

「‥‥困ったな」

「では下ろすぞ」































 猿轡に、目隠しから介抱された男性は、支えていた私を一目見て言った。

「おっと近寄るんじゃない」

「ご‥‥ごめんなさい」

「いや‥‥血で汚れるからさ」

 こんな目にあわせた発端かもしれない私を
毛嫌いしたのかと思ったらそんな見当違いな事を言われた。
私は構わず彼を支えた。

「構いません」

「そうかい‥‥勝手にしてくれ」

 身体中にあざやら、傷口がいっぱいあった。
確かに返り血が‥‥とは思わなかった。迷惑をかけたのは私が‥‥。

 彼の全てを私は支えた、凄く重い。容赦なくもたれてくれている様だった。
それだけ酷い状況だったのか、それとも‥‥そう思って考えるのはやめた。
余計な事を考えるのはやめよう、そう思った。



「おい、お前」

「あん、なんだよ。手短に頼むぜ」

「その‥‥すまなかったな」

「別に構わんさ、俺も久しぶりにやってみたかったからな」

「‥‥‥‥?」

 私が不思議そうにしていたからか、彼は言葉を付け足した。

「身体がなまっていたんでな、丁度良かったぞ」

「その代わり今度遊んであげるわよ」

「ああ、そっちのはパスだ。もうちょっと早く合えたらよかったんだがな」

「そうか、それは残念だ」

「俺の科白だぜ、それはよ」

「ここに治療具は無いんでな、ちょっと移動してもらうぞ」

「ああ‥‥おっと、車椅子とかは要らない」

 さばさばした人となんだなと思っていたら
いきなり頭をポンと叩かれてしまった。

「マイナがいるからな、頑張ってもらう事にするさ」

「が‥‥頑張ります!」

 私は地下室に響き渡る大声を出した‥‥と言うのに
みんなは涼しい顔をしてくれていた。











 結局私は途中でダウンしてしまった。
あとは他の四人で何とかしてくれたそうです。
私も運ばれる仲間になってしまいました。

 ああ‥‥自己嫌悪。










to be continued ...


あとがき

 前回の公開日が公開日だっただけに、今回のは狙っていました。
ここから先のストックはありません。この話自体前回のと一緒に書いた
ヤツだったりします‥‥さて‥‥どうしようかなぁ。


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