目が覚め、視界が暗い‥‥どこだ、ここは? 首を振ると人の顔が‥‥天井を再び見‥‥人‥‥「なにぃっ!」と起き上がる。
光の無い真っ暗闇な部屋で他人の顔を見るのは困難な事だが‥‥浅黒い肌、
後ずさりではないが右手を滑らせた先に何かが当たる。 状況が全然わからん。
左手で顔の汗を拭(ぬぐ)おうとして抵抗がある事に気が付いた。
というか俺が上半身だけ起き上がったせいでシーツが捲(めく)れ、
もう訳が判らん、寝るか、夢かも知れん。「ごろん」と寝転がった刹那
音がした方からこちらに向かって話し掛けて来る奴がいる。 「この状況下で二度寝とは恐れ入るね」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 寝ている最中だ、だから応える訳にはいかん。 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「よく寝れたかね?」 「まだ寝てる最中だ、ほっとけ」 「これは現実なのだよ」 「そんなのは信じん」 「そうかね、命の恩人に冷たいものだな」 「夢の出来事にお礼もくそも無い」 「‥‥わかった、これは夢。夢の中の出来事だ」
半身を起こして扉の近くに立っている人影を見る。 「ふむ、それならお礼を言おう」 「話が進んだ所で本題だ、お前は誰だ?」 「人間」 「個人名は」 「訊くんだったら自分から名乗れ、貴様」 「ふむ、一理あるな‥‥しかし調子が狂う」 「‥‥‥‥」 「私の名前はロス=御堂だ」 「桂木源三郎だ、決して中国人ではない」 「なんのことだ?」 前回のを読んでくれ。それが解答になるんだ。 「俺は日本人だ、文句あるか」 「別に‥‥此処(ここ)はエルディアだ、夢の中のな」 「聴いてもいない事を‥‥だからか、蒸し暑い」 「今は昼間だよ」 「砂原に踏み入ったら死ぬな」 「慣れれば心地よい」 「冗談はよせ」 「夢ならヤケドはせん」 「夢の中でも御免なもんは御免こうむるね」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「いい目をしているな」 「冗談、おとっつぁんには『腐った目』と言われていた」 「とっつぁんは貴様だろ?」 「何の話だ?」 「知らん、口が勝手に動いた」 「どの道‥‥俺は腐っている」 「さっきの事か? 気にするな。」 「ふざけるな、俺の主義に反するんだ!!」 「不可抗力だ」 「天災、地変の類じゃない!」 「ふははは‥‥」 がちゃり‥‥ばたん。 「これは‥‥若」 「ふふ‥‥なかなか面白いではないか。のお、御堂」 「は、仰せの通りで‥‥」 ‥‥また誰か入ってきたぞ。 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥‥‥」 「‥‥いい目だな」 「買被(かいかぶ)り過ぎだ」 ‥‥同じ事言いやがって、あんたらの目は節穴か? 「お前の人生(いのち)、わしに預けんか、んんん〜?」 「はぁ、何を言っている?」 「私と一緒に来ないかと命令し(いっ)ておる」 「どこに?」 「この国を動かすのだ」 「この国‥‥夢の世界をか?」 「ふむ、夢だろうが現実だろうが、男に生まれたのならば一度は国王だ」 「‥‥はぁ? こくおぉぉぉ? なあ御堂、こいつおかしいんじゃ?」 「若の前でなんたる‥‥」 「よい、御堂」 「しかし‥‥」 「なかなか面白い、儂はエルディア国王の息子、これで解るであろう?」 「‥‥‥‥‥‥だから?」 「な、御堂よ。面白いだろう」 「御戯れを‥‥若」 「桂木と言ったな、儂と一緒に国取りせんか?」 「‥‥くにとりぃ? 汚物回収の事か?」 「この国ではそんな物は必要ない、野晒(のざら)しで風化させる」 「一体何を言っているのだ、御堂?」 「は、国取りを汲取(くみと)りと桂木が解釈しましたもので」 「そうか、希望だったらやらせてやるぞ、汲取りを‥‥な」 「‥‥すまん、国取りだったな」 「おっと、儂にはやる事が色々とある、ゆっくりと考えるが良い。行くぞ、御堂」 「は‥‥」
‥‥なんなんだ、国王とか言っていたが、そう言えばエルディアは
んんん!? 日本語だったぞ、奴も御堂も!? |
あとがき
こんばんはカルネアデスです。
某E氏では無くって本名のほう、
ADAMがアレになってしまったからこっちしかないと
‥‥とこれ書いている時にADAMクイズの正解者、
ロス=御堂と前国王(現王子様)が出ました、ていうか長いです。
オヤっさん(源三郎)がおとっつぁんと言っているは
活字にしてみて気付いたのですがとっつぁんになるので声優ネタです(笑) α版の功績等々(やっぱり出たぞ誤字の山(笑))
科白ばかりでした、私は書き始めた頃のようです、
結局、元ねた等を知らない人は誰の科白か判らないと思うので
1026さん、誤字修正ありがとうございました。
エルさん、ブギーさん、『隣に寝てるの御堂?』発言ありがとうございました。 感想で笑ったのは久しぶりなような気がしていますけど(笑) |
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