私が待ちつづけた「裁きの門」に導かれた者達。 ……それは私がかつて戦った者だった。 スクルド「……これが、裁きの門。」 私が知っている彼女は今そこには居なかった、 長い時間をかけて成長した女性となった彼女がそこには居たから……。 モルガン「よく来たわね……。」 スクルド「お姉さまと螢一の言っていた通りね……ここに居たの?」 モルガン「そうだけど?」 彼女は呆れた顔をしている……なんで? スクルド「アレからずっと此処に居たの? よく退屈しなかったわね。」 モルガン「ずっと此処に居たわよ……悪い?」 人間の男性「おい、スクルド。突っかかるなよ。」 スクルド「……はいはい。」 人間の男性「ごめんね、別に悪気は無いんだ、彼女。」 スクルド「やめてよ仙太郎……私が謝れば良いんでしょ……。」 仙太郎と呼ばれた人間を遮(さえぎ)り、スクルドが前に出てくる。 スクルド「ごめんなさい、モルガン。」 そして頭を下げた……別に気にしていないんだけど。 モルガン「別に気にしてないわよ……スクルド。」 スクルド「こんな所にあっても私達を引き寄せるんだからよっぽどのものね。」 裁きの門に触れながら、見上げているスクルド。 モルガン「大丈夫よ、ちゃんとくぐった人たちが居るんだから。」 スクルド「お姉さまと螢一ね……。」 仙太郎「大丈夫、お兄さん達もくぐったんだから……さ。」 仙太郎がスクルドに向かって手を差し出す。 スクルド「…………。」 微(かす)かに表情が硬くなったスクルド。 仙太郎「…………。」 スクルドの方に向きなって、手をスクルドの顔に伸ばす仙太郎。 ぐにっ……。 スクルド「…………。」 仙太郎「…………。」 モルガン「…………。」 スクルド「…………。」 仙太郎「…………。」 モルガン「…………。」 スクルド「……ひょっとぉ。」 仙太郎「……なぁに、スクルド?」 モルガン「……ぷっ。」 スクルド「ひゃにひゅるにょよぉうぅぅ!!」 仙太郎の手はスクルドの顔に伸びて、スクルドの頬(ほお)を 左右に引っ張っている、そんな状態でまともに話せる訳も無いスクルドだったけど、 必死に抗議をしている……ように見えるけど……はははは……。 仙太郎「ははは……なぁ、スクルド、俺の事……信じられないか?」 私が彼を見てからちょっと頼りなさそうな顔しかしていなかった彼が一変して 真面目な面持ちになったわよ、それと同時に、スクルドの頬から手を離したわ。 スクルド「……だって。」 仙太郎「俺だって怖いさ、だけど二人ならくぐれるよ。」 仙太郎が一瞬こちらに目配せをしたように見えたけど……。 スクルド「そ……それは。」 仙太郎「スクルドのお姉さんは……くぐる時に何て言っていたの?」 仙太郎を凝視できないスクルドは地面を見つめている……。 スクルド「……お互い……信じあえば。」 仙太郎「俺は……スクルドを信じている。スクルドは……俺の事信じてくれないのか?」 地面を向いたまま首を左右に振るスクルド。 モルガン「ねぇ……スクルド。」 私はスクルドを背中から抱き締めた。 モルガン「私が何故……ずっとこんな所に居たのか……解る?」 スクルド「…………。」 モルガン「こういう場合に備えて、此処に居るのよ。」 スクルド「…………。」 モルガン「私は彼の事を信じきれなかった……迷いを振り切れなかったの。」 スクルド「…………。」 モルガン「さぁ、お互いを信じあって……私達みたいにはならないで頂戴。」 スクルド「…………。」 モルガン「そうなって欲しくないから……此処に居たかったのよ。」 スクルド「……ごめんなさい。」 モルガン「いいのよ……謝らなくっても。」 スクルド「……酷い……事言って……ごめん……なさい。」 |
あとがき こんにちは、カルネアデスです。 ……と言うことで、スクルド登場です♪ おまけにあの自転車の小僧の仙太郎も一緒です。 ついでに仙太郎は劇場版には出ていません(苦笑) 会話ばっかりだとすぐに一杯になってしまいますね(笑) 気付いたらとんでもない容量になっている事もしばしば (^^; 次回更新は……一週間後ぐらいかなと思ってますけど、クリスマスか……。 |
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