2000/04/02 公開
担当:カルネアデス

serial experiments lain

- worth the movie -


#10 Ver.β


タロウ「政美さん、頼まれてたもの出来ました。」

英利「ん……ああ、ありがとう。 タロウ君。」

タロウ「いやぁ、これぐらいなら。」

書類に目を通す政美。そして、タロウを見つめ、

英利「……流石だな。」

と一言付け加える。

タロウ「そんな、政美さんには敵(かな)いませんよ。」

英利「はは……は。」

ここ最近、この光景が珍しくないものとなっていた。

英利政美が見つけてきた人材――どこの骨の骨ともわからぬ人材。
当初は別段話題が無い橘総研の中は渦中の人だった彼――タロウも、
今となっては橘総研に無くてはならない人物にまで成長していた。



しかしその光景も長くは続かなかった……。



『かちゃり』 と扉が開く音がする。
それと同時に辺りが重い空気に包まれる。

黒沢「よう、ご機嫌だな。例の物出来てるか?」

英利「はい、これで良いですか?」

黒沢「……ん、ごくろうさん。」

政美の肩を軽く叩く黒沢。 さらに空気が重くなる。

タロウ「あ、お茶煎(い)れますね。」

黒沢「いや、これから会議なんだ、煎れなくて結構だよ。」

足早に部屋出て行く黒沢。

『ばたん。』

英利「……。」

タロウ「……。」

どうやら2人とも黒沢のことをよく思っていないらしい。

それも黒沢が平気で重役出勤をしてくるからだ。
それと極度の≪メカおんち≫。

そのくせ、ネットゲーム等の――娯楽の為になら、
その一時(ひととき)だけは克服してしまうという、
御都合主義の持ち主。

さらに重役出勤をする――重役出勤など、
1世代前のドラマとか小説とかにしか、
存在しないモノになっている……にもかかわらずだ。

それが上司なのだから、2人が良い顔をするはずも無かった。

to Be continued ...


あとがき

こんばんはカルネアデスです、ちょっち手間取ってしまったので、
公開は遅くなりました。

そう言えばいつからストック増やしていないのだろうか‥‥と(汗)



あと、『serial experiments lain - worth the movie -』の文字形式を、
一応統一の為に、修正を掛けた事を報告しておきます。


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