タロウ「政美さん、頼まれてたもの出来ました。」 英利「ん……ああ、ありがとう。 タロウ君。」 タロウ「いやぁ、これぐらいなら。」 書類に目を通す政美。そして、タロウを見つめ、 英利「……流石だな。」 と一言付け加える。 タロウ「そんな、政美さんには敵(かな)いませんよ。」 英利「はは……は。」 ここ最近、この光景が珍しくないものとなっていた。 英利政美が見つけてきた人材――どこの骨の骨ともわからぬ人材。 当初は別段話題が無い橘総研の中は渦中の人だった彼――タロウも、 今となっては橘総研に無くてはならない人物にまで成長していた。 しかしその光景も長くは続かなかった……。 『かちゃり』 と扉が開く音がする。 それと同時に辺りが重い空気に包まれる。 黒沢「よう、ご機嫌だな。例の物出来てるか?」 英利「はい、これで良いですか?」 黒沢「……ん、ごくろうさん。」 政美の肩を軽く叩く黒沢。 さらに空気が重くなる。 タロウ「あ、お茶煎(い)れますね。」 黒沢「いや、これから会議なんだ、煎れなくて結構だよ。」 足早に部屋出て行く黒沢。 『ばたん。』 英利「……。」 タロウ「……。」 どうやら2人とも黒沢のことをよく思っていないらしい。 それも黒沢が平気で重役出勤をしてくるからだ。 それと極度の≪メカおんち≫。 そのくせ、ネットゲーム等の――娯楽の為になら、 その一時(ひととき)だけは克服してしまうという、 御都合主義の持ち主。 さらに重役出勤をする――重役出勤など、 1世代前のドラマとか小説とかにしか、 存在しないモノになっている……にもかかわらずだ。 それが上司なのだから、2人が良い顔をするはずも無かった。 |
あとがき こんばんはカルネアデスです、ちょっち手間取ってしまったので、 公開は遅くなりました。 そう言えばいつからストック増やしていないのだろうか‥‥と(汗) あと、『serial experiments lain - worth the movie -』の文字形式を、 一応統一の為に、修正を掛けた事を報告しておきます。 |
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