辺りが騒がしい、碇シンジはその騒々しさの中で目を覚ました。 人の波が視界を絶え間無く、行き来していた。此処はどこなんだろう。 ミサト「あ、目が覚めたんだねぇ」 首を振るとミサトの顔が飛び込んできた。 ゲンドウ「起きたようだな、シンジ」
シンジは身体をびくつかせた。 シンジ「と、父さん」
ゲンドウは手を上げ、指を鳴らした。 シンジは振り向いた、そして驚愕した。 シンジ「ろ、ロボット?!」 ミサト「正しくは人造人間エヴァンゲリオンって言うんだけどね」 ゲンドウ「お前を呼んだのは他でもない、これに乗れ」 シンジ「これにって、父さんが何を言っているのか解らないよ!!」 ゲンドウ「乗るなら早くしろ、でなければ」 ゲンドウ「帰れ!」 ゲンドウのサングラスが煌いた。 シンジ「帰れって‥‥来たばっかりなのに」 ゲンドウ「それ以外の用はない」 シンジ「そんな事言ったって‥‥」
使徒にまとわり着いていた航空機が離脱を始めた。 その予感は的中した。 爆発が起きた。
爆風が止むと、目の前にロボットが速水たちを庇うように立っていた。
ロボットから誰かが降りてきた。 「お前が速水だな」
速水は先ほどから自分が誰であるかを 「速水厚志です、貴女は?」 「芝村をやっておる。舞だ、好きに呼ぶがいい」 好きに呼ぶがいいといいつつも名乗った舞は速水を凝視し続けた。 「あの‥‥」 「何をしておる、早く乗れ」 「乗れって‥‥これ?」 速水はロボットを指差した。 「それで理解できぬというのなら、お前はよほどの人物だという事だ」
舞はそう言い残し、ロボットに乗り来んだ。 それが世界の選択だった。 滝川「んだよ、いきなり乗って使えるのか?」 芝村「知らん」 壬生屋「そういう事は言わない方が良いと思います」
ロボットに乗り込んだ速水は通信の洗礼を受けた。
速水の乗り込んだのだけ2人乗りの複座型と呼ばれるモノだった。 速水「速水‥‥厚志です」 滝川「俺は滝川」 壬生屋「壬生屋です」 滝川「にしてもアレは何だ?」 壬生屋「幻獣‥‥としては違うようですね」 芝村「構うモノか、害なすものは排除する。それだけだ」 速水「‥‥過激、なんだね」 速水がそう言うと滝川と壬生屋が唾を飲み込む音が聞こえた。
芝村の瞳が揺れた、その事に気付いたものは誰も居なかった。 芝村「それが芝村というものだ、覚えておくがよい」 速水「いったい何が起きたの?」 滝川「N2地雷を使ったんだよ」 速水「地雷?」 滝川「ああ、地雷。あんな所に配置して無駄だと思ったたんだけどな」 滝川は呆れたように言ってのけた。 壬生屋「それで今はこの状態という事です」 壬生屋が繋げた。 芝村「ついて早々悪いが働いてもらうぞ、速水」 速水「‥‥もしかして、アレと?」 使徒はぴくりと動いた。 ゲンドウ「レイを呼べ」 ミサト「レイを?! しかし‥‥」 ゲンドウ「他に手はない」 ミサト「‥‥‥‥」 からからから‥‥。
シンジは光が遮断されるのを感じ、視線を上げた。 どむ!
衝撃が襲った、倒れる車椅子。
冷たい感覚がシンジを襲う、人間の体温なのか?
それを見てシンジは理解した、
シンジの中で何かが動いた。 そして、少年は選択した。 |
あとがき カルネアデスです。
今回はむりやりな題名でした。
結構芝村的な言い回しは気に入っていたりします(笑) 登場作品一覧
|
感想等々は掲示板かメールまでお願いします。
感想やご意見は書き手の力の源です!