パラドックスのタネ明かし

 どう見ても正確に変形できたとしか思えませんが、実はちょっとごまかしています。
 では、そのタネ明かし。
 大きい図を描いてもホントに微細すぎるごまかしです。

実は折れ曲がっていた

 変形前の正方形は4つの図形に分割されています。
 台形が2つ、直角三角形が2つですね。
 実は、変形後の長方形において台形a, bを正確なサイズで描いた時、直角三角形c, dに対しておかしなことが起こるんです。

 長方形を拡大して、2点A, Dを直線(黄色)で結んでみました。
 黄色い線と黒い線がほんの少しずれているのがわかるでしょうか。
 実は、点Bも点Cも黄色い線からほんの少しずれた位置にあるんですね。
 点Bは黄色線より上、点Cは黄色線より下。

 4点A~Dを通っている一筋の線、これは直線ではありません。
 ほんの少しジグザグに曲がっているんです。
 ということは……、c' もd' も直角三角形ではなかったということか!

 まるで直角三角形のように振る舞っていたc' とd'。
 実は、cとdに激似のそっくりさんだったというわけです。
 いや〜、これは騙されるよね😓