数列が 1 へ収束することの証明

 合成操作PQを施してできた数列がなぜ 1 に収束するのか?
 それを証明してみました。
 「収束」の証明なので、極限/極限値 を持ち出した話になっています。
 数学III を習ってない皆さん、ごめんなさ〜い🥺

このようにして 1 へ収束します

 合成操作PQを施して得られる数列は、初項 \(a_1\), 漸化式 \(a_{n+1} = \dfrac{3}{a_n+2}\ (n=1, 2, \cdots)\) で定義されます。
 果たして、数列 \(\{a_n\}\) の極限や如何に?
 すべての番号 \(n\) に対して \(a_n \neq -2\) かつ \(a_n \neq -3\) であるとして、話をしていきましょう。

 漸化式を2通りに変形します。

\begin{align} a_{n+1} - 1 &= \dfrac{3}{a_n + 2} - 1 = \dfrac{-(a_n - 1)}{a_n + 2} \tag{1} \\[0.5em] a_{n+1} + 3 &= \dfrac{3}{a_n + 2} + 3 = \dfrac{3(a_n + 3)}{a_n + 2} \tag{2} \end{align}

 \((1)\)を\((2)\)で辺々割ると

\[ \dfrac{a_{n+1}-1}{a_{n+1}+3} = \dfrac{-(a_n-1)}{a_n+2} \div \dfrac{3(a_n+3)}{a_n+2} = \left(-\dfrac{1}{3}\right)\dfrac{a_n-1}{a_n+3} \tag{3} \]

 ここで、\(b_n=\dfrac{a_n-1}{a_n+3}\ (n=1, 2, \cdots)\) とおいて数列 \(\{b_n\}\) を定義してみる。
 すると、\((3)\) により \(b_{n+1}=-\dfrac{1}{3}b_n\) となって、数列 \(\{b_n\}\) は公比 \(-\dfrac{1}{3}\) の等比数列だとわかります。
 よって、\(\displaystyle \lim_{n \to \infty}b_n = \lim_{n \to \infty}b_1\left(-\dfrac{1}{3}\right)^{n-1} = 0\) です。
 \(b_n=\dfrac{a_n-1}{a_n+3}\) を変形すると \(a_n=\dfrac{1+3b_n}{1-b_n}\) になるから、

\[ \lim_{n \to \infty}a_n = \lim_{n \to \infty}\dfrac{1+3b_n}{1-b_n} = \dfrac{1+3\cdot0}{1-0} = 1 \]

 \(a_n\) は \(1\) に収束するわけですね。