【解説】強いリンク / 弱いリンク

 ナンプレの解き方には、X-ChainNice Loop などマニアックなレベルのものもあります。
 その解法を理解するための概念として、「リンク」というものが存在します。
 ここでは、「強いリンク」「弱いリンク」について解説し、さらに複雑な「グループリンク」についても解説します。

2.強いリンク

 まずは強いリンクの説明です。
 「2マス間のリンク」「マス内部のリンク」の2タイプあるので、それぞれ説明していきます。

2-1.2マス間の強いリンク

図 2-1

 まずは2マス間の強いリンクを説明します。
 これは、1列や1ブロックに属する2マス限定のリンクです。

 図2-1、青色のヨコ列を見てみましょう。
 この列において、数字5の入り得るマスはA, Bの2つだけ。
 すると、この2マスA, Bには次の関係が生じます。

  • マスAに5が入らない場合、マスBに必ず5が入る
  • マスBに5が入らない場合、マスAに必ず5が入る

 この関係がある時、マスA, Bの候補数字5は強いリンクで結ばれている と言います。
 あるいは、候補数字を省略して簡単に マスA, Bは強いリンクで結ばれている と言うこともあります。

図 2-2

 前図2-1 の盤面には、他にも2マス間の強いリンクがあります。
 例を2つ挙げてみます(図2-2)。

 まずは赤色のタテ列。
 数字2の入り得るマスはA, Bの2つのみ。
 A, Bの候補数字2は強いリンクで結ばれています。

 次に緑色のブロック。
 数字6の入り得るマスはC, Dの2つのみ。
 C, Dの候補数字6は強いリンクで結ばれています。

 「一方のマスに数字nが入らなければ他方に必ず数字nが入る」ということを是非確かめてみてください。

 あらためて、2マス間の強いリンクの定義をしましょう。
 簡単に言うと「こっちのマスがダメなら、あっちのマスしかないよ〜!」ということです。

2マス間の強いリンク とは
 ある2マスA, Bにおいて、「A, Bの一方に数字nが入らない場合、他方に必ず数字nが入る」という関係があるとする。
 この時、マスA, Bの候補数字nは強いリンクで結ばれている と言います。

2-2.マス内部の強いリンク

図 2-3

 次に、マス内部の強いリンクを説明します。
 これは、候補数字が2つしかないマス限定のリンクです。

 図2-3 のマスAを見てみましょう。
 このマスの候補数字は4と6の2つしかありません。
 すると、この2つの候補数字には次の関係が生じます。

  • 4が入らない場合、必ず6が入る
  • 6が入らない場合、必ず4が入る

 この関係がある時、マスAでは候補数字4と6は強いリンクで結ばれている と言います。

図 2-4

 前図2-3 の盤面には、他にもマス内部の強いリンクがあります。
 図2-4 の黄色マスですね。

 例えば、左上隅のマスでは4と8が強いリンクで結ばれています。
 他には、あるマスでは2と5が強いリンクで結ばれていたり、あるマスでは7と9の強いリンクがありますね。

 「数字aが入らなければ必ず数字bが入る」ということを是非確かめてみてください。

 あらためて、マス内部の強いリンクの定義をしましょう。
 簡単に言うと「こっちの候補数字がダメなら、あっちの候補数字しかないよ〜!」ということです。

マス内部の強いリンク とは
 あるマスAには候補数字がa, bの2つしかないとする。
 そのマス内部では「a, bのうち一方が入らない場合、他方が必ず入る」という関係がある。
 この時、マスAでは候補数字aとbは強いリンクで結ばれている と言います。

3.弱いリンク

 次は、弱いリンクの説明です。
 強いリンクと同様に「2マス間のリンク」「マス内部のリンク」の2タイプあるので、それぞれ説明していきます。

3-1.2マス間の弱いリンク

図 3-1

 まずは、2マス間の弱いリンクを説明します。
 これは、列やブロックの中の2マスが関係するリンクです。

 図3-1、青色のヨコ列を見てみましょう。
 この列において、数字7の入り得るマスはA, B, Cの3つです。
 今、そのうちのAとBに注目したとして、その2マスには次の関係が生じています。

  • マスAに7が入った場合、マスBに7は入らない
  • マスBに7が入った場合、マスAに7は入らない

 この関係がある時、マスA, Bの候補数字7は弱いリンクで結ばれている と言います。
 あるいは、候補数字が明らかな場合は簡単に マスA, Bは弱いリンクで結ばれている ということもあります。

 もちろん、2マスA, Cの候補数字7も弱いリンクで結ばれています。
 2マスB, Cの候補数字7も同様です。

 ここで、必ず注意すべきことがひとつ。
 マスA, Bの候補数字7は強いリンクでは結ばれていません。
 これ大事!
 なぜなら、マスAに7が入らなかったとしても必ずマスBに7が入るとは限らないからです。マスCの可能性がありますもんね。
 当然、マスA, Cの候補数字7も強いリンクで結ばれていません。マスB, Cも同様です。

図 3-2

 強いリンクとは違って、ナンプレの盤面にはあらゆるところに2マス間の弱いリンクがあります。
 例を2つ挙げてみます(図3-2)。

 まずは赤色のタテ列。
 数字3の入り得るマスはA, B, Cの3つ。
 AとB, AとC, BとC、どれも候補数字3は弱いリンクで結ばれています。

 次は緑色のブロック。
 数字9の入り得るマスはD, E, F, Gの4つ。
 DとE, DとF, ……, FとG、任意の2マスの候補数字9は弱いリンクで結ばれています。

 「一方のマスに数字nが入ると他方には数字nが入らない」ということを是非確かめてみてください。

 あらためて、2マス間の弱いリンクの定義をしましょう。
 簡単に言うと、「こっちのマスがOKなら、あっちのマスはダメだよ〜!」ということです。

2マス間の弱いリンク とは
 ある2マスA, Bにおいて、「A, Bの一方に数字nが入った場合、他方に数字nは入らない」という関係があるとする。
 この時、マスA, Bの候補数字nは弱いリンクで結ばれている と言います。

3-2.マス内部の弱いリンク

図 3-3

 次に、マス内部の弱いリンクを説明します。
 これは、マス内部の候補数字が関係するリンクです。

 図3-3 のマスAを見てみましょう。
 このマスの候補数字は1, 3, 9の3つです。
 今、そのうちの1と3に注目したとして、その2つには次の関係が生じます。

  • 1が入った場合、3は入らない
  • 3が入った場合、1は入らない

 この関係がある時、マスAでは候補数字1と3は弱いリンクで結ばれている と言います。
 もちろん、マスAでは候補数字1と9も弱いリンクで結ばれています。3と9も弱いリンクで結ばれています。

 ここで、必ず注意すべきことがひとつ。
 候補数字1と3は強いリンクでは結ばれていません。
 これ大事!
 なぜなら、マスAに数字1が入らなかったとしても必ず3が入るとは限らないからです。9の可能性がありますもんね。
 当然、マスAでは候補数字1, 9も強いリンクで結ばれていません。候補数字3, 9も同様です。

図 3-4

 候補数字が複数あれば、そのマスには必ずマス内部の弱いリンクが存在します。
 例を2つ挙げてみます(図3-4)。

 まずはマスA。
 候補数字は3, 5, 8の3つ。
 3と5、3と8、5と8はどれも弱いリンクで結ばれています。

 次にマスB。
 候補数字は5つ。
 2と3、2と7、……、8と9など任意の2つの候補数字は弱いリンクで結ばれています。

 「数字aが入ると数字bが入らない」ということを是非確かめてみてください。

 あらためて、マス内部の弱いリンクの定義をしましょう。
 簡単に言うと、「こっちの候補数字がOKなら、あっちの候補数字はダメだよ〜!」ということです。

マス内部の弱いリンク とは
 あるマスAには候補数字が2つ以上あるとする。
 その中の任意の2つ(a, bとする)には「a, bのうち一方が入った場合、他方は入らない」という関係がある。
 この時、マスAでは候補数字aとbは弱いリンクで結ばれている と言います。

4.おさらい

 一度、4種類のリンクをおさらいしましょう。
 セクションではリンクの強弱ごとに分類して説明しましたが、ここでは 2マス間/マス内部 に分類して説明します。

5.強いリンクは弱いリンクでもある

 これまでのセクションでは、強いリンク・弱いリンクの解説をしました。
 このセクションでは、強いリンクの大きな特徴を1つ紹介します。

図 5-1

 図2-1 のところでは、「2マスA, Bは候補数字5の強いリンクで結ばれている」と説明しました。
 しかし、あらためてその盤面を見てみると(図5-1)、A, Bについては次の関係も成り立つんです。

  • マスAに5が入った場合、マスBに5は入らない
  • マスBに5が入った場合、マスAに5は入らない

 あれ!?
 これ、まさに弱いリンクの関係じゃぁないですか!
 つまり、2マスA, Bの候補数字5は弱いリンクで結ばれているとも言えるんです。

 そうかぁ。
 2マスA, Bは強弱両方のリンクで結ばれていることになるんだな。

図 5-2

 図2-3 のところでは、「マスAでは4と6が強いリンクで結ばれている」と説明しました。
 しかし、同様にその盤面を見てみると(図5-2)、4と6については次の関係も成り立つんです。

  • 4が入った場合、6は入らない
  • 6が入った場合、4は入らない

 なんと!
 これも弱いリンクの関係だ!
 つまり、マスAでは候補数字4と6は弱いリンクで結ばれているとも言えるんです。

 あれ?
 4と6って強弱両方のリンクで結ばれていることになるの??

 結局、何が言えるのか?
 こういうことなんです。

強いリンクで結ばれているものは、必ず弱いリンクでも結ばれている。

 つまり、強いリンクで結ばれている場合、必ず強弱2本のリンクで結ばれているのです。
 ということは、AとBが強いリンクで結ばれている場合、わざと「AとBは弱いリンクで結ばれている」と考えても良いことになる。
 そのため、「強いリンクを弱いリンクに置き換えて考える」ということが可能です。

 別の見方をすると、強いリンクは弱いリンクの性質も併せ持つと考えて差し支えありません。
 強いリンクは弱いリンクでもある。
 リンクの重要な性質です。

6.グループリンク

 このセクションでは、さらに複雑なリンクであるグループリンクについて解説していきます。
 内容はだいぶ難しく、また実用性はほぼゼロなので、必ずしも読む必要はありません。
 心や時間に余裕のある時にでも読んじゃってください😊

図 6-1

 セクション3-1では2マス間の弱いリンクについて説明しました。
 3マスA, B, Cについては、互いに弱いリンクで結ばれていることがわかっています。
 ここでは、ちょっと違う考え方をしてみましょう。

 2マスB, Cは同じブロックに属していますね。
 そこで、BとCをひとまとめにしちゃいます(図6-1)。
 そうすると、AとBCには次の関係が生じます。

  • Aに7が入らない場合、BCのどちらかに必ず7が入る
  • BCのどちらにも7が入らない場合、Aに必ず7が入る

 そして、AとBCには次の関係も生じます。

  • Aに7が入った場合、BCのどちらにも7は入らない
  • BCのどちらかに7が入った場合、Aには7が入らない

 ……あれ?
 AとBCって、なんか強いリンクや弱いリンクの関係がありそう!?

図 6-2

 じゃぁ、2マスB, Cをまとめて「グループX」としちゃいましょう。
 そして、「BCのどちらかに7が入る」を単に「グループXに7が入る」と表現することにします。

 すると、図6-1 で示した関係は次のように言い換えられるんです。

  • Aに7が入らない場合、Xに必ず7が入る
  • Xに7が入らない場合、Aに必ず7が入る
  • Aに7が入った場合、Xに7は入らない
  • Xに7が入った場合、Aに7は入らない

 なんと、マスAとグループXは候補数字7のリンク(強弱両方とも)で結ばれるという結果になりました!

図 6-3

 こういうふうに、2マス間のリンクはマス単体に限りません。
 同じ列かつ同じブロックに属する複数のマスをグループ化させ、グループごと結ぶというリンクもあるんです。
 これを グループリンク と呼ぶことにしましょう。

 グループリンクにも強弱の2種類があります。
 図6-2 は強いグループリンクの例になっています。
 図6-3 は弱いグループリンクの例です。
 赤色タテ列において、グループXとマスAは候補数字6の弱いグループリンクで結ばれています。グループXとマスBも弱いグループリンクで結ばれています。

 グループリンクにおいても、セクションの性質が成り立ちます。
 強いグループリンクを弱いグループリンクとみなして考えることが可能です。

図 6-4

 図6-2 では、マス単体とグループを結ぶリンクを考えました。
 もちろん、グループ同士を結ぶリンクというものもあります。

 図6-4、マスAとグループXは候補数字8の強いグループリンクで結ばれています。
 マスBとグループYも候補数字8の強いグループリンクで結ばれていますね。

 そして、XもYも緑色ブロックに属していることに注意しましょう。
 実は、XとYには次の関係が生じています。

  • Xに8が入った場合、Yに8は入らない
  • Yに8が入った場合、Xに8は入らない

 つまり、緑色ブロックにおいてXとYは候補数字8の弱いグループリンクで結ばれていることになるんです。
 A, X, Y, Bの4つは強弱のグループリンクでチェーンのように一本につながっているんですね。

 ここで、注意がひとつ。
 緑色ブロックにおいて、XとYは強いグループリンクでは結ばれていません。
 なぜなら、緑色ブロックには数字8の入り得るマスがXとY以外にも存在するからですね。

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