【解説】Sue De Coq の一般化

 本当は Sue De Coq のページに書く予定でしたが、Sue De Coq の一般化はかなり奥が深かった……。
 というわけで、別にページを作っちゃいました。
 正直言ってこのページの内容は凄まじく高難度なので、気力と体調が最高のコンディションの時に読むことを強く推奨します。
 読んでて体調に異変が生じても私に石を投げないでください😅

0.定義と結論を書いてみた

 まずは、Sue De Coq の一般的な定義と結論を紹介しましょう。
 次の通りです。
 ……が、最初はざっとナナメ読みで済ませちゃってください。
 間違っても真剣に読もうとしてはいけません。
 絶対にです。
 真剣に読みすぎて具合悪くなっても、し、知りませんからね!😅

  1. ブロックBと行(または列)Rの交差部分に位置する空きマスを要素とする集合Cを考える。|C|≧2 であるとする。
  2. そして、集合Cのマスに存在する候補数字を要素とする集合をVとし、|V|≧|C|+2 であるとする。
  3. Sue De Coq の使える形を作るためには、ブロックBと列Rから |V|-|C|+n 個のマスを見つける必要がある。そのマスは次を満たすようにする。
    • BとR、それぞれから必ず1個以上のマスを見つける。
    • 見つけたマス全体を見ると、集合Vに属する |V|-|C| 種類以上の候補数字とVに属さない n 種類の候補数字が存在する。
  4. 見つけたマスのうち、ブロックBに属する物を集めた集合を CB とし、列Rに属する物を集めた集合を CR とする。そして、CB のマスにある候補数字をすべて集めた集合を VB とし、CR のマスにある候補数字をすべて集めた集合を VR とする。この時注意すべきことは、VB と VR に同時に属するVの要素は1つも存在しないということである(V内部にはない要素なら VB と VR に同時に属していても良い)。
  5. 1.〜4. の状況になった時、Cには V\(VB ∪ VR) [空集合の可能性あり]、VB に属する |VB|-|CB| 個の要素、VR に属する |VR|-|CR| 個の要素が必ず入る。
  6. この構造を持つ Sue De Coq において、集合 VB ∪ (V\VR) の候補数字を集合 B\(C ∪ CB) のマスから除去でき、集合 VR ∪ (V\VB) の候補数字を集合 R\(C ∪ CR) のマスから除去できる。

 何言ってんだかサッパリわかんねぇよ😣

 もはやただの呪文でしかありません。
 どこのパルプンテですか😅

 当ページでは、このムズかしい呪文を解読していきます。
 具体例を交え、上記の抽象的な定義と結論を解説していこうというわけです。
 正直言って、超超超の付くくらい話は高難度です。
 無理をせずお付き合いください😊

 基にしたサイトは『HoDoKu』です。
 解法 Sue De Coq の子項目 Extended Types によると、以下の文章が書かれていました。
 それをなんとか和訳してできたのが、上記の 1.〜6. です。

Consider the set of unfilled cells C that lies at the intersection of Box B and Row (or Column) R. Suppose |C|>=2. Let V be the set of candidate values to occur in C. Suppose |V|>=|C|+2. The pattern requires that we find |V|-|C|+n cells in B and R, with at least one cell in each, with at least |V|-|C| candidates drawn from V and with n the number of candidates not drawn from V. Label the sets of cells CB and CR and their candidates VB and VR. Crucially, no candidate from V is allowed to appear in VB and VR. Then C must contain V\(VB U VR) [possibly empty], |VB|-|CB| elements of VB and |VR|-|CR| elements of VR. The construction allows us to eliminate candidates VB U (V\VR) from B\(C U CB), and candidates VR U (V\VB) from R\(C U CR).

 内容を理解するのに何日もかかってもぅた😓

1.Sue De Coq の一般形

 Sue De Coq のページで紹介した形が本来の Sue De Coq です。
 現在では、Sue De Coq の一般形も存在します。
 このセクションでは、具体例を挙げて一般形を解説していきます。

1-1.概要

図 1-1

 図1-1、青色ヨコ列と黄色ブロックがあり、それらが交差して緑色領域もありますね。
 この合計15マスが今回の舞台です。

 青色ヨコ列の9マスをまとめた集合を 集合R としましょう。
 黄色ブロックの9マスをまとめた集合を 集合B とします。
 便宜上、ヨコ列RブロックB とも言うことにしましょう。

 まずは、この緑色領域内部の2個以上のマスに注目します。
 図1-1 では3マス全部に注目し、それらをひっくるめて 集合C としておきましょう。
 集合Cの要素数は3です。

 集合Cの3マスには全5種類の候補数字がありますね。
 それらを全部集めた物を 集合V としておきます。
 V={ 2, 4, 5, 6, 7 } ですね。要素数は5です。

 ここで注意すべきことがひとつ。
 集合Cと集合Vの要素数、Vの方が2個以上多くなければいけません。
 図1-1 ではCの要素数は3、Vの要素数は5です。
 これはOKですね。

 ここで、記号をひとつ紹介します。
 集合の要素数を表すために、| | という絶対値みたいな記号を使うことにします。
 例えば、|C| は「集合Cに属する要素の個数」という意味です。
 図1-1 だと、|C|=3、|V|=5 となりますね。
 ついでに言うと |R|=9、|B|=9 です。

図 1-2

 集合Cと集合Vを作ったところで、今度は、青色6マスと黄色6マスの中から空きマスを何個か拾っていきます。
 拾う個数は決まっています。|V|-|C|+n 個です。

 うゎ、いきなり「n」なんてのが出てきたぞ !?
 nって何だ?
 これは「集合Vにはない候補数字の種類数」を表すものです。
 原始的な Sue De Coq では「Sue De Coq を構成するどのマスも候補数字は集合Vの要素だけだ」という言い方ができるんですね。これは n=0 の場合にあたります。
 しかし、一般的な Sue De Coq では、Vにはない候補数字を何種類か加えてもOKなんです。
 それを、ここでは 追加候補 と呼ぶことにしましょう。
 追加候補の種類数をnで表します。

 前図1-1 からは候補数字 { 2, 4, 5, 6, 7 } だけだと Sue De Coq の形ができません。
 でも、追加候補9も考慮に入れてマスを拾うとうまくいきます。追加候補が1種類なので、n=1 です。
 だから、|V|-|C|+n =5-3+1=3個のマスを拾っていきます。

 やれ |V|-|C|+n だの追加候補だのと、ワケわかんないですよね😅
 要は、何をやろうとしているのかというと、こういうことなんです。

集合Cの3マスから新しくマスを増やしたい。
その際、マスの個数が候補数字の個数(種類の個数)に等しくなるようにしたい。

 現状ではマスが2個足りません。|C|=3、|V|=5 ですもんね。
 だから、青色&黄色領域から新たにマスを2個加えて「全5種類の候補数字 { 2, 4, 5, 6, 7 } を持つ5マス」という形を作りたい!
 こういうことなんです。

 ただ、残念ながら、盤面を見る限りそれはできなさそう。
 じゃぁ、ある候補数字kも仲間に入れて3マス加えることを考えよう。
 「全6種類の候補数字 { 2, 4, 5, 6, 7, k } を持つ6マス」という形を作りたい!

 もし6でもダメなら、さらに候補数字mを仲間に入れて4マス加えることを考えます。
 「全7種類の候補数字 { 2, 4, 5, 6, 7, k, m } を持つ7マス」という形を作りたい!
 こういうふうに考え方をシフトしていくわけなんです。
 とにかく、両者を同数にしたいのです。

 この候補数字k, mを追加候補と言います。
 追加候補の個数が 図1-2 で言うnです。
 図1-2 の場合は追加候補は1個で十分で、追加候補kとして k=9 を採用し、mは使いません。

図 1-3

 さて。
 青色&黄色領域からマスを拾う際、注意すべきことが3つあります。

  1. どちらの領域からも必ず最低1個はマスを拾う。
  2. 集合Vと追加候補のみを持つマスを拾う。
  3. 青色と黄色の間で、集合Vの候補数字が重複しない。

 この3つに注意して3マスを拾った結果が 図1-3 です。
 3つの注意点をクリアしていますね。
 青色領域&黄色領域、両方から拾っています。
 拾った3マスには { 2, 4, 5, 6, 7, 9 } 以外の候補数字はありません。
 集合Vの要素のうち、青色マスに含まれているのは { 2, 6 }、黄色マスに含まれているのは { 4, 7 }。まったく重複していません。

 さて、ここで集合を4つ定義します。
 青色領域から拾ったマスをひっくるめて 集合CR、黄色領域から拾ったマスをひっくるめて 集合CB としましょう。
 |CR|=1、|CB|=2 です。
 また、CR には全2種類の候補数字がありますね。それらをまとめて 集合VR としましょう。
 CB の候補数字は全3種類です。同様に 集合VB とします。
 VR={ 2, 6 }、VB={ 4, 7, 9 } です。

 さぁ、これで目的の形ができあがりました!
 「全6種類の候補数字 { 2, 4, 5, 6, 7, 9 } を持つ6マス」という形ができたのです。
 これが Sue De Coq の一般形です。
 以降は、C・CR・CB の6マスをひっくるめた形を SDCパターン と呼ぶことにしましょう。

図 1-4

 結論を述べる前に、ちょいとひとつ。
 実は、この SDCパターン、大きな特徴が1つあるんです。

  • どの候補数字kに対しても、ヨコ列RかブロックBのどちらかはkをすべて含んでいる。
  • kが集合C内部にしかない場合、ヨコ列RもブロックBもkをすべて含んでいる。

 ちょいと検証してみましょう。
 候補数字2は C と CR にしかありません。つまり、2はすべてヨコ列Rに存在しています。
 また、候補数字4は C と CB にしかありません。4はすべてブロックBに存在しています。
 候補数字5は C にしかありません。5はすべてRにもBにも属しています。
 追加候補9は CB にしかなく、すべてBに属しています。
 候補数字6, 7も同様です。
 なんと、どの候補数字に対しても、ヨコ列RまたはブロックBがそれをまるごと含んでいるんですね。

 なぜそうなるんでしょう?
 それは、図1-3 の iii. のおかげです。CR と CB の間で集合Vの要素が重複していないからなんです。

1-2.結論

図 1-5

 この特徴を知ったところで、いよいよ結論です。
 こうなります。

  • 候補数字kをまるごと含む列RまたはブロックBにおいて、SDCパターンの外にあるマスから候補数字kを除去できる。

 図1-5 だと、×印の候補数字が該当します。
 例えば、候補数字2はすべてヨコ列Rに存在していました。
 ヨコ列Rにおいて、C・CR 以外のマスから候補数字2を除去できるということです(青色×印)。
 また、候補数字4はすべてブロックBに存在していました。
 ブロックBにおいて、C・CB 以外のマスから候補数字4を除去できます(黄色×印)。
 候補数字5はRにもBにも属しているから、C・CR・CB 以外のマスから候補数字5を除去できます(ピンク色×印)。
 他の候補数字も同様の除去ができます(黒色×印)。

 なんと、大量12個も除去できた!
 なぜ、こういう結論になるんだろう?
 それを説明しましょう。

図 1-6

 実は、SDCパターンはマスの個数と候補数字の種類数が同じです。
 図1-6 だと6個と6種類。
 同数であるおかげで、次が成り立つようになるんです。

  • 6種類の数字 2, 4, 5, 6, 7, 9 は SDCパターンの各マスに1個ずつ入る。

 なんと、6人が仲良く1部屋ずつルームシェアするというのです!
 なぜなのか? それを説明しましょう。

 とりあえず、次が成り立つことは言えます。

  • SDCパターンの6マスには、数字 2, 4, 5, 6, 7, 9 は1個までしか入れられない。

 これは、図1-4 で示した特徴のおかげです。
 例えば、候補数字2はヨコ列Rにしか存在していません。ということは、数字2を1個入れたらもう他のマスには2を入れられません。
 候補数字4はブロックBにしか存在していません。ということは、数字4を1個入れたらもう他のマスには4を入れられません。
 他も同様です。
 すべて「1個まで」なのです。

図 1-7

 1個まで。
 ということは、「0個」の可能性は一応ある。
 さて、0個って……実際あり得るんだろうか?

 結論から言うと、あり得ません。
 例えば、仮に候補数字2が1個も入らなかったとしましょう。
 すると、残り5種類の数字 { 4, 5, 6, 7, 9 } で6マス全部を埋めきらないといけません。
 しかし、それは無理です。だって、6個めのマスに入れる数字がないんだもん! 「1個まで」ですからね。
 これは破綻です。

 というわけで、0個はあり得ない。
 どの候補数字も必ずキッチリ1個ずつ入るんです。

  • SDCパターンの6マスには、数字 2, 4, 5, 6, 7, 9 は1個ずつしか入れられない。
    言い換えると、どの数字も6マスのどこかに必ず入る。
図 1-8

 どの数字も6マスのどこかに必ず入る。
 これが判明すればもぅ結論は近い!
 ヨコ列RとブロックBから除去される候補数字があります。
 図1-8 の×印です。

 例えば、候補数字2。
 数字2は C と CR のどちらかに必ず入ることが約束されました。
 よって、C・CR 以外の青色マスから候補数字2を除去できます(青色×印)。

 数字4は C と CB のどちらかに必ず入ることになります。
 よって、C・CB 以外の黄色マスから候補数字4を除去できます(黄色×印)。

 候補数字5は C にしかないから、青色&黄色マスから除去できます(ピンク色×印)。
 他の候補数字でも同様に除去が起こります(黒色×印)。

 図1-5 の結論通りになりましたね😊
 なんと、12個もの大量除去になった!

1-3.集合を使って結論を説明してみる

 さて、セクションでは、なんとも抽象的でわかりにくい結論を述べました。
 もう一度書いてみます(1.〜4. は省略)。

  1. 1.〜4. の状況になった時、Cには V\(VB ∪ VR) [空集合の可能性あり]、VB に属する |VB|-|CB| 個の要素、VR に属する |VR|-|CR| 個の要素が必ず入る。
  2. この構造を持つ Sue De Coq に対して、集合 VB ∪ (V\VR) の候補数字を集合 B\(C ∪ CB) のマスから除去でき、集合 VR ∪ (V\VB) の候補数字を集合 R\(C ∪ CR) のマスから除去できる。

 この部分について解説していきます。
 ……と、その前に、記号を1つご紹介。
 差集合を表すために、\ という記号(バックスラッシュ)を使うことにします。
 例えば、A\B は「Aに属するがBに属さない要素をすべて集めた集合」という意味です。

図 1-9

 まず、今までに出てきた集合のおさらいです。

  • R:青色ヨコ列の9マス。
  • B:黄色ブロックの9マス。
  • C:緑色の3マス。
  • CR:集合 R\C から拾った1マス。
  • CB:集合 B\C から拾った2マス。
  • V:C 内部にある候補数字= { 2, 4, 5, 6, 7 }。
  • VR:CR 内部にある候補数字= { 2, 6 }。
  • VB:CB 内部にある候補数字= { 4, 7, 9 }。

 マスについては 図1-9 の通りです。
 この図から話を進めていきます。

 あっ。
 説明の前に「SDCパターンにおいて数字 2, 4, 5, 6, 7, 9 は6マスのどこかに1個だけ入る」ということを思い出しておきましょう😊

 まずは、5. を説明しましょう。
 5. は集合Cの各マスに入る3種類の数字を表しています。

  1. Cには V\(VB ∪ VR) [空集合の可能性あり]、VB に属する |VB|-|CB| 個の要素、VR に属する |VR|-|CR| 個の要素が必ず入る。
図 1-10

 まず、集合 C のマスに必ず入るのは「Cにしかない候補数字」です。
 具体的には5ですね。
 これは、V のうち VB にも VR にもない物なので、V\(VB ∪ VR) で表せます。

 次に、集合 CB に注目します。
 2マスに対して候補数字が3種類ありますね。1個多い。
 ということは、3種類のうち1つは CB に入れることができません。
 じゃぁ、どこに入るのか?
 C しかないんですね。
 というわけで、VB にある数字のうち1個が C に入ります。
 一般には「|VB|-|CB| 個の数字が C に入る」と言えます。

 集合 CR の場合も同様です。
 1マスに対して候補数字は2種類。1個多い。
 VR にある数字のうち1つが C に入ります。
 一般には「|VR|-|CR| 個の数字が C に入る」と言えます。

 次は、6. です。
 これは、削除対象となるマスと候補数字を表しています。

  1. この構造を持つ Sue De Coq に対して、集合 VB ∪ (V\VR) の候補数字を集合 B\(C ∪ CB) のマスから除去でき、集合 VR ∪ (V\VB) の候補数字を集合 R\(C ∪ CR) のマスから除去できる。
図 1-11

 ブロックBにおいて、候補数字の除去対象となるマスは黄色マスでした。
 これらは「黄色ブロックBから C と CB を除いたもの」です。
 だから B\(C ∪ CB) で表せます。
 そして、除去される候補数字 { 4, 5, 7, 9 } はすべて黄色ブロックに関わっています。
 その中に VB の候補数字がまるごと含まれているのは当然ですが、V の候補数字のうち VR 以外のもの(例えば候補数字5)も含まれます。
 だから VB ∪ (V\VR) で表せます。
 よって、「集合 VB ∪ (V\VR) に属する候補数字を集合 B\(C ∪ CB) のマスから除去できる」と言えるわけですね。

 ヨコ列Rも同様です。
 「集合 VR ∪ (V\VB) に属する候補数字を集合 R\(C ∪ CR) のマスから除去できる」となります。

 余談ですが、追加候補は VB\V と VR\V で表せます。
 VB\V={ 9 }、VR\V=∅(空集合)です。

2.例をもうひとつ

 前セクションでは集合Cは3マスでした。
 今度は2マスの例で説明しましょう。

図 2-1

 図2-1、青色タテ列と黄色ブロック、そして、両者の交差した緑色領域がありますね。
 タテ列の9マスを集めて 集合R、ブロックの9マスを集めて 集合B としましょう。
 便宜上、タテ列RブロックBとも言うことにします。

 RとBの交差部分のうち、今度は枠で囲った2マスに注目します。
 この2マスをまとめて 集合C とします。
 |C|=2 ですね。

 集合Cのマスには全4種類の候補数字があります。
 それらを集めて 集合V とします。
 V={ 2, 3, 4, 8 } ですね。

 要素数についてVはCより2個以上多くなければいけませんが、これはOKです。

図 2-2

 さぁ、次は青色領域と黄色領域から空きマスを拾っていきましょう。
 今回は、追加候補を2つ考慮して |V|-|C|+n=4-2+2=4個拾います。
 もちろん、以下の注意点は忘れずに😄

  1. どちらの領域からも必ず最低1個はマスを拾う。
  2. 集合Vと追加候補のみを持つマスを拾う。
  3. 青色と黄色の間で、集合Vの候補数字が重複しない。

 拾った結果が 図2-2 です。
 追加候補は6と7です。
 3つの注意点はすべてクリアしています。

 4つの集合も定義しておきましょう。

  • 集合CR:青色領域から拾った3マス。
  • 集合CB:黄色領域から拾った1マス。
  • 集合VR:CR の全候補数字= { 2, 6, 7, 8 }。
  • 集合VB:CB の全候補数字= { 3, 4 }。

 さぁ、これで Sue De Coq の使える形ができました!
 C・CR・CB をまとめた6マスが SDCパターンです。

図 2-3

 前セクションと同様、この SDCパターンも次の特徴を持っています。

  • どの候補数字kに対しても、タテ列RかブロックBのどちらかはkをすべて含んでいる。

 どの候補数字もこの特徴を満たしていることを確認してみてください。
 候補数字2はすべてタテ列Rに属しています。
 候補数字3はすべてブロックBに属しています。
 他も同様です。

図 2-4

 では、結論です。
 結論は前セクションと同じです。

  • 候補数字kをまるごと含む列RまたはブロックBにおいて、SDCパターンの外にあるマスから候補数字kを除去できる。

 図2-4 だと、×印の候補数字が該当します。
 例えば、候補数字2はすべてタテ列Rに存在していました。
 タテ列Rにおいて、C・CR 以外のマスから候補数字2を除去できるということです(青色×印)。
 また、候補数字3はすべてブロックBに存在していました。
 ブロックBにおいて、C・CB 以外のマスから候補数字3を除去できます(黄色×印)。
 他の候補数字も同様の除去ができます(黒色×印)。

 なんと、10個もの大量除去!
 なぜそうなるのかを簡単に説明しましょう。

図 2-5

 この SDCパターンもマスの個数と候補数字の種類数が同じですね。
 6個と6種類。
 同数であるおかげで、次が成り立つようになります。

  • 6種類の数字 2, 3, 4, 6, 7, 8 は SDCパターンの各マスに1個ずつ入る。
    言い換えると、どの数字も6マスのどこかに必ず入る。

 どの数字も6マスのどこかに必ず入る。
 これのおかげで、候補数字の大量除去が発生します。

 例えば、数字2は C と CR のどちらかに入ることが約束された。
 よって、C・CR 以外のマスから候補数字2を除去できます(青色×印)。
 数字3は C と CB のどちらかに必ず入ることになります。
 よって、C・CB 以外の黄色マスから候補数字3を除去できます(黄色×印)。
 図には示していませんが、他の候補数字も同様に除去可能です。

 図2-4 の結論通りになりましたね😊

3.追加候補が重複している!

 Sue De Coq の一般形は、追加候補も含めた複雑な形をしていました。
 このセクションでは、「CR と CB が同じ追加候補を持つ」というさらに複雑な形を解説していきます。
 ……といっても、実はセクションと本質的には同じなので、身構える必要はなかったりします。

図 3-1

 最初から SDCパターンを示しちゃいましょう。
 図3-1、C・CR・CB の6マスです。
 各集合はこんな感じです。

  • :青色ヨコ列。
  • :黄色ブロック。
  • :枠内の緑色2マス。
  • :Cの全候補数字= { 3, 5, 7, 8 }。
  • CR:Rから拾った青色2マス(追加候補1を持つ)。
  • CB:Bから拾った黄色2マス(追加候補1を持つ)。
  • VR:CR の全候補数字= { 1, 3, 8 }。
  • VB:CB の全候補数字= { 1, 5, 7 }。

 もちろん、CR と CB は以下を満たすように拾っています。
 軽〜く確認してみてください。

  1. どちらの領域からも必ず最低1個はマスを拾う。
  2. 集合Vと追加候補のみを持つマスを拾う。
  3. 青色と黄色の間で、集合Vの候補数字が重複しない。
図 3-2

 さて。
 この SDCパターン、今までとは違う特徴があります。
 CR と CB の追加候補が同じなんです。
 両方とも1です。

 今までの SDCパターンは候補数字がすべて異なっていましたね。
 しかし、今回は違います。
 SDCパターン内部の候補数字は { 1, 1, 3, 5, 7, 8 }。
 1がダブってる。

 この場合、結論はどうなるんでしょう?
 違う結論が待っているんだろうか……?

図 3-3

 実は、結論は同じなんです。

  • 候補数字kをまるごと含む列RまたはブロックBにおいて、SDCパターンの外にあるマスから候補数字kを除去できる。

 この SDCパターンのミソはこれです。

CR と CB の追加候補1には関わりが一切ない。

 図3-3 で説明しましょう。
 図でわかる通り、の両方を持っている列やブロックは1つもありません。そして、集合Cには候補数字1がまったくありません。
 となると、CR のどのマスに数字1が入ろうとも、CBマスには一切影響が出ないんですね。これは逆も同様です。
 つまり、この SDCパターンにおいてには関わりが一切ありません。

 というわけで、CR と CB の追加候補1は別物だと考えて差し支えありません。赤の他人です。
 異なる6種類の候補数字 { , , 3, 5, 7, 8 } を持つ SDCパターンだとみなして論理展開でき、上記の結論が得られるんですね。
 論理展開はセクション1-2と同様なので省略します。

 ここで、余談をひとつ。(※読み飛ばしてかまいません)
 今回の SDCパターンに使われている候補数字の集合は { 1, 1, 3, 5, 7, 8 } です。
 1が重複していますね。
 通常は、数学の集合では要素の重複を許しません。だから、これは { 1, 3, 5, 7, 8 } と同じ物とみなされます。
 しかし、今回は重複を許し、あえて集合 { 1, 1, 3, 5, 7, 8 } で考えることが必要です。
 このように、重複を許して要素を扱う集合のことを、数学では 多重集合 と呼びます。

4.交差部分からもマスを拾える!

 このセクションでは、複雑な形をもうひとつ紹介します。
 これもセクションと本質的には同じなので、難しく考える必要はありません。

図 4-1

 図4-1、C・CR・CB の6マスで構成される SDCパターンです。
 各集合はこんな感じです。

  • :青色ヨコ列。
  • :黄色ブロック。
  • :枠内の緑色2マス。
  • :Cの全候補数字= { 3, 5, 6, 7, 9 }。
  • CR:Rから拾った青色1マス。
  • CB:Bから拾った黄色3マス(追加候補8を持つ)。
  • VR:CR の全候補数字= { 3, 7 }。
  • VB:CB の全候補数字= { 5, 6, 8, 9 }。

 もちろん、CR と CB は以下を満たすように拾っています。
 軽〜く確認してみてください。

  1. どちらの領域からも必ず最低1個はマスを拾う。
  2. 集合Vと追加候補のみを持つマスを拾う。
  3. 青色と黄色の間で、集合Vの候補数字が重複しない。
図 4-2

 さて。
 この SDCパターン、他とは違う特徴があります。
 ヨコ列RとブロックBの交差部分からもマスを拾っているんです。
 CB 内部の1マス(枠内)がそうです。

 今までの SDCパターンは CR も CB も交差部分からは拾っていませんでした。
 しかし、今回は違います。
 ヨコ列R上のマスを CB の一部に取り込んでいる。

 この場合、結論はどうなるんでしょう?
 違う結論が待っているんだろうか……?

図 4-3

 結論は同じです。

  • 候補数字kをまるごと含む列RまたはブロックBにおいて、SDCパターンの外にあるマスから候補数字kを除去できる。

 実は、拾ったマスがRとBの交差部分にあろうとも「全6種類の候補数字を持つ6マス」という形には変わりないんですね。
 だから、この図からの論理展開もセクション1-2とまったく同じ。
 結論も同じになるんです。

 ちなみに、CB 内部には候補数字8があり、その2マスはヨコに並んでいます。
 そのどちらかに数字8が必ず入ることを考えると、赤色×印の候補数字8(CR の左下)も除去されることになります。
 Sue De Coq では、こういうオマケ的な除去がたま〜に起こったりします。

参考・参照

更新履歴