過去とーく・2007年10月
2007年10月のできごとをつらつらと書いてます。
数少ないですが……。



 全漢字ナンクロ制作において、使いやすい熟語と使いにくい熟語があるんですね。
優柔無断? 
大胆無敵? 


★ 2007.10.27. Sat. 
 例えば、「慇懃無礼」「一家団欒」は誰もが知っていながら全漢字ナンクロには現れにくい。「慇」「懃」「欒」のつく熟語がほとんどないために、クロス面に入れにくい。
 逆に、「不用心」などは使いやすい。「不」や「用」や「心」のつく熟語は有り余っているくらいです。

 んで、その「不用心」。
 「不」が入ってますね。
 辞書を引いてみると、「不用心」「不作法」「出不精」などの熟語の「不」は「無」に置き換えがききます。
 そして、「無」のつく熟語というのも数多くある。
 だから、これらの3字熟語は実に使い勝手がいいんですね。
 ナンクロ制作にとって、「不」と「無」は実に便利な存在。その2文字を使ってないナンクロはあんまりなく、パズル作家にとって その2文字はありがたい存在なんです。
 E坂さんもついつい多用しちゃって、その2文字には足を向けて寝ることができません。
 ところが。
 その2文字に足元をすくわれることもあるのが困りもの。

 「不用心」に似た熟語で「不用意」というのがありますね。
 不用心の「不」は「無」に置き換えがきく。では、不用意はどうか。
 ……いやぁ、先入観って怖いモンですなぁ。

 よくよく考えると、「不用意」ってブヨウイとは読まないんです。フヨウイであって濁らない。
 当然、「無」への置き換えはききません。そもそも「無」はフとは読まないし。
 でも、当然のように「無用意」という熟語があるとE坂さんは思ってた。
 編集さんからの電話で「無用意」という熟語はないと知って、E坂さん、ビックリ!

 先ほど、不用意にもその「無用意」を入れてしまったナンクロを修正したところです。
 熟語はシッカリ覚えとかんとイカンなぁ〜〜〜。
 もしかしたら、「無本意」を入れてしまったナンクロを修正するときは、不本意ながら修正するんだろか(?)


 数日前のこと。
 やってしまった……。
 世界文化社の雑誌『漢字塾』や『漢字の友』ではよくジャンボサイズの全漢字ナンクロを依頼されるんだけど、今月も依頼されたんですね。21×53サイズのヤツを。
黒マス無くするのに 
苦労しマス 


★ 2007.10.13. Sat. 
 んで、サイズをキチッと確認して、その大きさで普通の全漢字ナンクロをつくって、さぁ送るぞ! ……と思った矢先。
 ふと依頼書を見たら……

   黒マスなし全漢字ナンクロ」って書いてあった。

 うおお〜〜〜! やってもぅた〜〜〜ッ!!
 この前はサイズを間違えたってぇのに(2007. 1.18. のひとりごと参照)、今度はナンクロの種類を間違えた!

 ナンクロを黒マスなしナンクロにしたいのなら、黒マスの場所にも番号を何種類か振ってしまえばいいんですね。普通に考えれば。
 ところが、困ったことに今回はそれができず、天を仰いでしまったんです。
 なぜか。

 E坂さんのナンクロ制作において、カナの場合は黒マスを対称形に置くことは考えません。
 しかし、全漢字の場合、黒マス3個つなぎの形でキレイに配置して全体図が対称形になるようにすることが多いんです。
 実を言うと、全漢字ナンクロの方が対称形に組みやすいとE坂さんは思ってたりします。

 カナの場合は文字の割に言葉が多い。しかし、漢字だとそれが逆になってしまうんですね。
 常用漢字だけでも 1945字もあるってぇのに、その割には熟語が異様に少ない。
 “シで始まる2文字の言葉”はたくさん思いつくのに、“陛で始まる2文字の熟語”なんて「陛下」ぐらいしか思いつかないわけです。
 2文字でもこうなんだから、当然、3文字以上になるとさらに少ない。6文字以上の熟語をポンポン挙げられるヤツぁ、もはや神だ!
 そんなわけで、全漢字ナンクロでは熟語を交差させることが難しいんです。
 市販の漢字パズル誌を見ると黒マスが何個もつながっていて2文字熟語が多いけれど、これはしかたがない。カナでは容易な「2×2以上の白マスの塊をつくる」ことも非常に難しい。なので、多少ぬる〜い組み方をしても許されます。
 上の画像の場合だと、四字熟語と三字熟語をタテヨコ交互に組んだ後で 残りを2文字熟語で埋めてしまえばいい。つくり方はそんなに難しいわけではないんですね。
 E坂さんは漢字好きだもんで、カナよりも漢字ナンクロをつくる方が好きだったりします。

 でまぁ、話を戻して。
 普通の全漢字ナンクロと勘違いしちゃったモンだから、依頼書に「黒マスなし全漢字ナンクロ」と書いてあるのに気づいて机に突っ伏してしまったんです。
 当然、上の画像のようにキレイに対称形に黒マスを配置してしまっていた。
 そうなると、そのナンクロは黒マスなしナンクロにはできません。
 だって、こんなにもキレイに配置してしまったら、黒マスなしナンクロにしたところで簡単に黒マスの位置が推測できちゃうじゃないの!

 結局、またゼロからつくり直しました。21×53サイズを。
 んもぅ、泣きそうになった(泣)
 大幅に締切遅れてたもんだから、編集者さんに申し訳ない気持ちいっぱいで必死につくってました。
 ここはひとつ、「21×53サイズのストックができたんだ!」と前向きに考えることにしよう。
 そうしよう(泣)


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管理人:E坂もるむ