1999/12/19 公開
担当:カルネアデス

serial experiments lain

- worth the movie -


#07 Ver.β


――橘総合研究所付属病院内、産婦人科病棟、診察室。


柊子「おめでとうございます。」

ありす「―――本当……ですか?」

柊子「ええ……。」

カルテを見るのを止め、ありすに向き直る柊子。

柊子「おめでたです。」

ありすの顔が 『信じられない』 という感じに、一瞬だけなる。

ありす「ありがとうございます、先生。」

その一瞬の動揺にあわせるように、柊子は問いかけをする。

柊子「よくわかりましたね、赤ちゃんのこと……妊娠1ヶ月ですよ。」

ありす「え?」

柊子「妊娠したかな? ……と自覚できるようになるには少なくとも2ヶ月は……。」

あくまで一般論を、柊子は説(と)きはじめる。

ありす「ええ、そうなんですけど、夢を見て。」

ありすもその一般論は知っているようだ。

柊子「夢ですか?」

ありす「ええ、女の子が抱きついてきて『赤ちゃんいるよ』って。」

ありすは、今現在、その女の子が目の前にいるかのように、お腹を撫でる。

柊子「こんなに早く来た人は初めてですよ。」

柊子は心中穏やかではなく―――妊娠一ヶ月で来る人なんかまずいないといっても間違えじゃないわ。
―――だが、その心中を察知されないように勤めて冷静に言った。

しかし、それも今の医療機器の性能のおかげでもあるのだが、これが橘総研の強みでもある。

ありす「あぁ……やっぱりそうですか?」

柊子「その女の子に感謝しなくっちゃ、ね。」

ありす「……よくお話である妊娠3ヶ月というのはなんなんでしょうね?」

柊子「さあ……誰が考えたんでしょうね?」

診察室が2人のくすくす声に包まれる。

ありす「柊子先生、本当にありがとうございました。」

柊子の手を取るありす。

柊子「いえ、私は別に何も……。」

ありす「今は先生に感謝させてください。」

柊子は少し困惑した感じで……しかし控えめに、

柊子「……そうですか?」

と言った。

ありす「うふふふふ……。」

柊子「旦那様がお待ちですよ。」

ありす「あっ……そうだったわ、私ったら……ありがとうございました、柊子先生。」

柊子「ええ、おめでとう、ありすさん。 お大事にね。」

to Be continued ...


あとがき(いつの間にやら長い後書きに……)

今年最後の更新でございます、乱筆乱文等々な、私の作品を読んでくださり、ありがとうございました m(_ _)m

lain といえばブギーポップですが(こらこら)どうやらテレビ東京系らしいですね……
ワイア―のシーンカットされないか心配です。

吸血鬼美夕は首が飛ぶ場面が含まれている話丸ごとカットされてしまったそうなので……。


で、話を戻しまして…… なにやら皇室関係でご懐妊がどうのと騒がれておりますが……
これならもっとはやく公開しておいた方が良かったかなと思う今日このごろ(汗)

別に便乗でのなんでもございませんです、始めからこれは決めてましたので。


柊子さんがいるのはまあ後のお楽しみという事で……今言ってしまうと面白くないです(当たり前)
柊子さんというのは、 米良柊子 という PS版lain に出ていた女性です。

で、橘総研の宣伝もチョビッと加えておきました(笑)
この世界では完璧に確認が出来る……と言う事にしておいてください m(_ _)m


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